埼玉県のE.K.様より、以前ご購入いただき大切に使われていた伊勢崎銘仙のバッグを、これからも同じ形で使えるよう再リメイクするご依頼をいただきました。
一目惚れのバッグをもう一度。愛着をそのままにつなぐ新たな姿
リメイクのきっかけ
お客様が以前「kibi-ru ACTION」の展示会でご購入くださった、伊勢崎銘仙のバッグ。一目惚れして選んだというそのバッグを大変気に入ってくださり、日々のお出かけで大切にお使いになっていたそうです。
しかし、たくさん使っていただいた分、生地の消耗が非常に激しくなっていました。それでも「どうしても同じような雰囲気で使い続けたい」という強い想いから、今回、修復を兼ねた再リメイクのご相談をいただきました。
制作のポイント
お預かりしたバッグは全体的に消耗が進んでおり、特に体に触れる部分の銘仙生地は白く色落ちしている状態でした。布地としては修復が不可能なほど傷んでいましたが、使えるパーツを見極めて残し、ほぼ作り替える形での再リメイクを行いました。
表面のほとんどは新しい生地へ変更することになったため、再利用する持ち手と内布に自然となじむ色合いの伊勢崎銘仙をセレクトしました。「持ち手」と「内布」は、元のバッグからそのまま再利用することができました。






お気に入りをこれからも毎日。長く美しく愛用するためのデザイン判断
お気に入りのバッグを、これからの毎日も気兼ねなく使っていただくために、今回のリメイクには、きびるリメイクならではの実用的な工夫を施しました。
銘仙の生地は、何度も体が擦れることで、少しずつ色が落ちてしまうデリケートな性質を持っています。実際にお預かりした元のバッグも、体に当たる部分の生地が白く色落ちしていました。

そこで今回の再リメイクでは、あらかじめ「白っぽい(最初から色の少ない)銘仙生地」を選び、体に最もよく触れる部分へ配置しました。こうすることで、この先もし色が落ちていったとしても全体に自然になじみ、「最初からそういうデザインであったかのように」美しさを保ち続けることができます。

元のバッグから引き継いだ「持ち手」と「内布」の色合いに優しくなじむよう、全体の配色にもこだわりました。ただ新しく作り直すだけでなく、お気に入りだった元のバッグの思い出を受け継ぎながら、これからの日々のお出かけにも心地よく寄り添うバッグに仕上がっています。

「銘仙(めいせん)」とは、明治から昭和初期にかけて流行した、先染め平織りの絹織物のことです。
銘仙のなかでも、群馬県の伊勢崎には「併用絣(へいようがすり)」と呼ばれる織物があります。同じ柄が染められた経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を、ずれなく織り上げていくことで、まるで絵画のように美しい模様を表現する世界的に見ても高度な技術を誇る織物です。
今回制作したバッグにはこの「併用絣」が含まれていますが、併用絣は織り手が途絶えてしまったことで、現在は新しく作ることが大変難しくなっているそうです。今回は、伊勢崎銘仙プランナーの金井 珠代さんのコレクションより、貴重な銘仙を使わせていただいています。
参考:伊勢崎市 伊勢崎市の伝統産業・伝統工芸( https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/keizai/shoko/syoukousinkou/8043.html ),きたかんナビ 息づく伝統未来へ 伊勢崎銘仙・併用絣( https://kitakan-navi.jp/archives/21281 )
お客様のご感想
一目惚れから始まったお気に入り。新たな彩りを乗せて再び歩み出す毎日。
以前、こちらで一目惚れして購入したバッグでした。
全部リメイクになりましたが、同じような形で使い続けられるのがうれしいです。
ありがとうございました。

お買い上げいただいたバッグを、白く色落ちするほどに、毎日のお出かけに連れていっていただけたことは、作り手としてこれ以上ない喜びです。新しいバッグが、またこれから先も、E.K.様の日常のなかにたくさんの彩りと笑顔を運んでくれる存在となりますように。
E.K.様、この度はバッグの再リメイクをお任せいただき、本当にありがとうございました。


